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薬の成分と使用法
1.病気と病原菌の種類
病原菌は特徴によってグループ分けが出来る。
ランチュウで見られる感染性疾患は、病原菌の特徴から、
原生動物・グラム陰性菌・真菌・寄生虫・ウイルスの5つに大きく分類できます。
この様なグループ分けが必要である理由は、グループによって治療に必要な薬剤が異なる為で、
もし間違った薬剤を選択してしまうと全く効果が得られない事になります。
したがって、ランチュウの病気を引き起こす病原菌が、
どのグループに含まれるかを知る必要が生じる訳です。
病原菌の種類
原生動物 ⇒ 白点病・白雲病・黒斑病・黒ソブ・ツリガネムシ病の原因生物。
グラム陽性菌 ⇒ グラム陽性菌が病気を引き起こす事は少ない。
グラム陰性菌 ⇒ カラムナリス病・穴あき病・赤斑病・松かさ病の原因菌。
真菌 ⇒ 水カビ病の原因菌。
寄生虫 ⇒ イカリムシ病・ウオジラミ病・吸虫病の原因生物。
ウイルス ⇒ 金魚ヘルペスの原因ウイルス。
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2.薬剤の成分と病原菌のグループ
薬剤の成分によって治療の対象が分かる。
治療薬は含まれる有効成分を確かめる事によって、効果が期待出来る病原菌を知る事が出来ます。
以下に使用頻度の高い薬の有効成分と、
その成分がどの病原菌のグループに効果を示すかを記載する事と致します。
3.薬剤の使い方について・・・@
説明書に書かれた用法・用量が基本。
薬剤の用法用量を説明書に書かれた通りに行わないと、有効性が乏しくなる事や
副作用の危険が増す事につながるので注意が必要です。
また、多く薬剤は共通する成分を含んでいる為に、誤った併用を行う事で
共通成分の濃度が規定量を超えてしまう恐れがあります。
したがって、薬剤を使用する場合は塩と1種類の薬剤の組み合わせで、
説明書に書かれている用法用量を守る事が基本となります。
もし多剤を併用させる場合は、薬の成分を確かめて、重複が無い事を確認する必要があるでしょう。
4.薬剤の使い方について・・・A
薬剤の使い方には5つの方法がある。
薬剤の使い方を分けた場合、瞬間浴、短時間薬浴、長時間薬浴(永久薬浴)、
経口投与、直接塗布の5つの方法があります。
この5つの方法の中で、短時間浴と長時間薬浴(永久薬浴)と経口投与は
薬剤の用法用量に沿った基本的な使い方ですが、
瞬間浴や直接塗布は用法用量を無視した使い方であると言えるでしょう。
したがって、瞬間浴や直接塗布を施行する際は十分な注意が必要です。
5.瞬間浴
数分以内の薬浴を意味する。
瞬間浴は、数秒から数分間の薬浴を行う方法で、
5%塩浴法や消毒剤を使用した薬浴法で用いられます。
薬剤濃度が高い為に治療死する可能性が極めて高く、
技術と経験が無い場合は行わない方が良いと言えるでしょう。
6.短時間浴
数時間以内の薬浴を意味する。
短時間浴は、数十分から数時間の薬浴を行う方法で、
2%塩浴法やエルバージュ4時間法、消毒剤を使用した薬浴法などで用いられます。
瞬間浴には及びませんが、魚への毒性が強い為に、
投薬量や薬浴時間に注意する必要があると言えるでしょう。
7.長時間浴/永久浴
殆どの薬剤の標準的な使用方法。
長時間浴/永久浴は、12時間以上の薬浴を行う方法で、
殆どの薬剤の標準的な使用方法(用法用量通りの使用方法)と言う事が出来ます。
なお、厳密には長時間薬浴を繰り返す事を永久浴と呼びますが、
一般的には同じ意味で使われる場合が殆どです。
8.経口投与
血中濃度を上昇させる目的で施行。
経口投与は、薬剤を餌と共に与える方法で、餌に練り込む方法や
餌にしみ込ませる方法があります。
経口投与は高濃度の薬剤を消化管に投与する為に、
薬剤の血中濃度を高める事が出来、全身に薬剤を行き渡らせる事で
体内から治療を行う事が可能となります。
また、経口投与で使用する薬剤と薬浴で使用する薬剤を別種類にする事で、
治療効率を上昇させる事が期待出来ると言えるでしょう。
ただ、病気の原因が風邪や消化不良である場合は、
症状の増悪を引き起こす可能性が高い為に不可となります。
9.直接塗布
限局性病変に非常に有効。
直接塗布は薬剤を魚体に直接塗り付ける方法で、限局性病変の治療に用いられます。
直接塗布において最も効果的なのは、メチレンブルーなどの染色液を
病変部にしっかりと擦り付ける方法で、局所的に大きな効果を得る事が出来ます。
なお、外傷部に消毒液を直接塗布する場合がありますが、
水中に含まれる雑菌を考えると有効性は期待し難いと言えるでしょう。
直接塗布の注意として、エラへの塗布はエラ障害を引き起こす可能性がある為に
避ける必要があります。
●薬剤の使い方
瞬間浴 : 数秒から数分間の薬浴。
短時間薬浴 : 数十分から数時間の薬浴。
長時間薬浴 : 12時間以上の薬浴。
経口投与 : 薬剤を餌と共に与える方法。
直接塗布 : 薬剤を直接塗り付ける方法。
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