ホルマリン

1.特徴

すべての微生物(グラム陽性菌・グラム陰性菌・真菌・抗酸菌・ウイルス)に有効な消毒薬。
日本薬局方ホルマリンはホルムアルデヒドを35.0〜38.0%含有する水溶液であり、
重合によるパラホルムアルデヒドの生成を防止する為、メタノールが5〜13%添加されている。

毒性が強く、ヒトに対しても中毒を生じさせる。
急性中毒・・吸入で眼・鼻・呼吸器の刺激症状、高濃度では呼吸困難・肺浮腫などを起こす事がある。
慢性中毒・・吸入又は接触で結膜炎、鼻咽喉炎、頑固な皮膚炎などを起こす事がある。
皮膚接触・・刺激性皮膚炎を起こす事がある。

動物実験においては発癌性と催奇形性が報告されている。
人体保護や環境保護の為に、ホルマリンの使用は極力避けるべきである。

ホルマリンに塩を混ぜると毒素が発生するので併用は禁止。
薬剤にも塩が含まれている場合があり注意が必要。(塩 = 塩化ナトリウム)
アオコを枯死させて水質の急変を起こす為、新水での治療が必要。


2.抗微生物スペクトル

すべての微生物に有効である。
つまり、原生動物・グラム陽性菌・グラム陰性菌・真菌・抗酸菌・ウイルスなどに有効である。
しかし、Clostridium sporogenesに対して無効の報告がある。

つまり、以下の病気に対して消毒剤として有効

原生動物が原因で起こる、白点病・白雲病・黒斑病・黒ソブ・ツリガネムシ病。
グラム陰性菌が原因で起こる、カラムナリス病・穴あき病・赤斑病・松かさ病。
寄生虫が原因で起こる、イカリムシ病・ウオジラミ病・吸虫病。
真菌が原因で起こる、水カビ病。
ウイルスが原因で起こる、金魚ヘルペスなど。


3.作用機序

蛋白質のアミノ基やメルカプト基、プリン塩基の環状窒素原子をアルキル化する事で微生物を不活化。
注)強い蛋白質凝固作用がある為に、ヒトの皮膚や粘膜に付かない様、十分な注意が必要。


4.ホルマリンを含む薬剤とその含有量

有効成分は比較し易いように液体なら100ml、粉末なら10gに換算。含有量の多い順に表示。

市販薬 (液体) ※有効成分は薬液100ml中に含まれる数値を表示
ホルマリン 有効成分 : ホルムアルデヒド37%水溶液

販売 
剤型 液体
効能 ダクチロギス、ギロダクチルス、キドロネラ、コスティアの殺虫効果
定価 

用法用量 : 水10Lに対し本剤1mlを添加、30分の薬浴を行う
        水1000Lあたり本剤20〜25mlを添加、永久浴
実質価格 :




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