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趣味の世界が持つ魅力
ランチュウ飼育を継続させる為に
趣味は楽しく、そして継続してこそ人生を豊かにし生きがいへとつながって行きます。
そんな趣味としてのランチュウ飼育を始めた場合、他の趣味との兼業については優れています。
例えば既に旅行を趣味としている場合、犬などのペットを飼育すると気軽に旅行には行けなくなりますが、
ランチュウであれば、数週間に渡って餌を与えなくても問題なく、自由な時間の使い方が確保されます。
一方で、品評会の世界は別であることは認識しておく必要があります。
会で上位入賞を目指す飼育は「苦行」と言われることがあり、「ランチュウ=人生」の覚悟が必要です。
趣味の世界が持つランチュウの魅力
趣味に求められる身体性・創作性・芸術性・自然性・知的性の5つに経済性を付け加え、
6つの視点から「趣味の世界が持つランチュウの魅力」について考えてみました。
身体性
ランチュウは動物である事から必然的に継続的な世話が必要になります。
餌やりや水換えをする為に早起きの習慣が付きますし、身体を動かす事は運動不足の解消になり、
生き物の世話を続ける責任感は、自分自身の体調管理にも意識が向く結果となります。
身体を動かし適度に日光に当たる事は、骨や筋力を丈夫になる事で骨折予防や転倒予防に役立ちますし、
四季を体感する事で1年の体内リズムが強まり、日々の生活にメリハリが生じることにもなります。
また、ランチュウ飼育は昔に行った金魚すくいなどの想い出を蘇られる郷愁性があり、
郷愁に浸る癒しの中で、気分転換やストレス解消、さらには未来に向けた生きがいをもたらします。
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創作性
ランチュウは飼育者の腕一つで容姿ががらりと変わる魚で、飼育技術と共に創り上げる楽しみがあります。
特に、発達した肉瘤や太い尾筒を意識して仕上げると、非常に見応えのあるランチュウになります。
また、気に入ったランチュウを交配させ、次の世代を確保していくことは継続性につながり、
自分自身の系統を創作する楽しみにもなります。丸っこい姿や珍しい柄を楽しみにする事も出来ます。
ランチュウ飼育は子供や孫への教育性を兼ね備えており、家族の交流を深めるのにも役立ちます。
創作の中で、交配・孵化・成長・褪色・餌やり・水かえなどは生物学に関係します。
そんな生物学に愛着を持つと、医学・薬学・理学・農学・水産学などの分野に関心を深める事になり、
私の息子が医学部を目指すきっかけにもなりました。
他にもランチュウに対する追求は、様々な問題に対して自分で論理的に考えながら突破する力を養い、
これは社会で生きていく上においても、非常に役立つものであると言えます。
「未完の美」としての答えが無い世界を表現する為に、様々な試行錯誤の中でランチュウを創り上げるのは、
ランチュウ飼育の醍醐味の1つだと言えます。
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芸術性
ランチュウは中国から伝来した金魚を、日本人が持つ心や美意識にて「芸術」の次元にまで昇華させ、
造形美であると共に、生き物であるがゆえに最後は跡形もなくなってしまう「儚さ」があります。
そんな形の残らない「儚さ」に美を感じる日本独特の文化は、人から人へと受け継がれる事で継承され、
その繰り返しが伝統となり、日本人の心や美意識が詰まった歴史の中で今なお進化しています。
多くの先輩方の足跡と共に、継承美として悠久の歴史を生き抜いてきた「芸術としてのランチュウ」を、
日本の素晴らしい四季と共に、今に生きる伝統美として具現化させる事は最高の趣きとなります。
また、芸術としてのランチュウの基礎を創り上げた石川家には「ランチュウ宗家」の称号が与えられており、
ランチュウの原点である「石川養魚場」や日本最古の愛好会である「観魚会」を楽しめるのも特徴です。
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自然性
生き物であるがゆえに日々気を配りながら、時に優雅に泳ぐランチュウをゆっくりと眺め、自然に耳を傾け、
自然と触れ合い、自然の匂いを感じることは、精神の安らぎだけでなく認知症の予防にも効果があります。
青仔や黒仔の時期にランチュウを購入すると、色変わりや姿の変化を存分に楽しむことが出来、
その後の秋の成熟を目標に、楽しく継続して飼育することが出来ます。
ランチュウ飼育は普段から水を使う為に、花木・盆栽などの「園芸」領域との相性も良く、
水と土、そして動物と植物と触れ合いながら、成長や収穫の喜びを存分に堪能することが出来ます。
また、植物に詳しくなることは、旅行先などで自然を楽しむ際に樹木の名前が分かるようになり、
旅行の楽しさを深めてくれますし、例えば「写真」など新しい分野に興味が出てくる可能性もあります。
ランチュウ飼育は「田舎暮らし」を趣味とする場合にも楽しめる趣味で、庭に好きな池をつくることで、
自然と共にあるランチュウ飼育を地域の大人や子供たちと一緒に楽しむことが出来ます。
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知的性
ランチュウ飼育は、気軽に始めることが出来る一方で、現在でも完成された飼育方法は存在していません。
そして、飼育技術の向上と鑑識眼の向上に関する専門性は、未だに底を見ない深い広がりを持っています。
育成にあたっては、餌やりや水換えや飼育環境について専門知識を駆使しながら試行錯誤の中で決定し、
交配や選別にあたっては、交配方法や選別方法などの専門知識が必要になり、さらに経験も求められます。
ランチュウに関する専門性は、ランチュウに留まらずに魚類に関係する生物学全般の領域と結びついており、
そんな専門知識は趣味をより豊かに発展させてくれるものとなります。
例えばランチュウの病気に関して、何の病気であるかの判断や治療に関する専門知識が必要ですが、
これらは他の品種にも当てはめることが出来ますし、知識は薬学や化学にも応用することが出来ます。
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経済性
一昔前まで、ランチュウはお金持ちの趣味で1匹数万円〜数十万円での取り引きが当たり前の世界でした。
今でも品評会を目指すなら、飼育環境の設備・種魚導入・育成経費などで年間数十万円以上が必要です。
しかし、趣味でランチュウ飼育をする場合、品評会で好まれる姿を気にせずに好きなランチュウを選び、
水槽やプラ舟などの小さな飼育環境で、愛着を持ちながらランチュウ飼育を楽しむことが出来ます。
その際の設備投資は1万円以内で出来ますし、飼育を継続する際の経費は餌代・水道代が中心です。
品評会で好まれないものの、趣味として十分に楽しめるランチュウは数千円で手に入れることも出来ます。
経費についての多少は人それぞれですが、ランチュウ飼育に必要な経費は以前よりも減少傾向にあり、
最近は趣味としてのランチュウは、非常に手軽で身近な存在になったと言えます。
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ランチュウの値段・・・種魚
秋の段階では5千円から5万円まで
種魚の適正価格は、秋の段階で5千円から5万円までが一般的な目安です。
この範囲の中で系統や尾に関する筋、姿や柄入りなどを考慮して価格を決定する訳ですが、
どの様に価格を決定するかは生産者の考え次第であると言えます。
5万円よりも高い魚は会魚扱い
種魚に5万円よりも高い価格を付けるのは一般的ではありません。
5万円よりも高い価格は会魚の価格帯に入って来る為です。
この基準は当歳魚であっても弐歳魚であっても変わりありません。
5千円以下は種魚として不向き
真剣に会魚や系統を創ろうと考えている場合、5千円以下の種魚の購入は
見送った方が無難であると言えます。
経験者が5千円以下の値付けを行った場合、系統や尾に関する筋に欠点があり、
姿や柄入りも好ましくないと言う事を示しています。
※会魚の値段表記は難しく、一般的には安くても5万円〜となります。
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