らんちゅう専門 伊東養魚場 会魚の値段 





会  魚


育成時間が確保出来ない!けれども品評会を楽しみたい方々に


ランチュウの価格・・・会魚@

品評会の世界では、地道な努力で会魚を創る愛好家、数十万円の会魚を購入し参加する愛好家、
入賞した直後の洗面器にあがった魚を購入し、自分の名前を書き込む愛好家がいます。

何れも長所と短所があり、会魚を創る場合は会魚を購入する為に全国を巡る必要はありませんが、
膨大な時間・経費・技術が必要ですし、交配で会魚が得られる保証がない難しさがあります。

会魚を購入して参加する場合は、育成の手間は省かれますが、会魚を探して全国を巡る場合が多く、
さらに、高いお金を払って会魚を手に入れても入賞の確約がなく、残念賞に終わる可能性があります。

入賞した直後の魚を購入して自分の名前を入れるのは、育成の手間や全国を巡る作業が省かれますが、
入賞魚の確保や値段交渉が難しく、さらに購入行為そのものに批判的意見が多いのも現状です。

会魚を自ら創る愛好家を創り屋(ブリーダー)と呼び、会魚を買う愛好家を買い屋(バイヤー)と呼びます。

会魚の入手について、どの方法が良いかは人ぞれぞれですが、自身の経済力や時間の使い方の中で、
悪い意味での道楽とならない範囲で、品評会を楽しむことが出来れば良いと私は考えています。









ランチュウの価格・・・会魚A

インターネットが発達するまでは、初心者相手に「味がある」「魚っぷりが良い」などを謳い文句に、
1匹数十万円〜数百万円の会魚の取り引きがされていた様です。

しかし、数十万円の会魚を購入して出品してみたものの、残念賞に終わったとの話を当時よく耳にし、
私自身が品評会の世界に足を踏み入れなかった理由にもなっていました。

そんな私自身も2004年に品評会への参加を決め、種魚を求めて全国を巡る中で、
会魚の値段も参考に聞きましたが、共通していたのは1匹5万円以上(平均は約15万円程度)で、
中には1匹50万円以上との返答もありました。

私自身は、自らの手で会魚を創る方針を貫きましたが、当時の会魚の値段には本当に驚かされました。









ランチュウの価格・・・最近の現状

価格は一般的に、原材料費・加工費・希少性・ブランド力・人件費・需要と供給などによって設定されます。

ランチュウの価格も同様で、種魚導入費用・育成費用(餌代や水道代)・厳しい選別による希少性・
品評会入賞によるブランド力・育成における人件費・需要と供給などによって設定される訳ですが、
インターネットの発達で供給が増え、相場は下落に向かい初心者でも手に入れやすい価格となりました。

その一方、ランチュウだけで人件費を確保するは難しくなってしまい、商売としての成立は困難な状態です。
したがって最近では、趣味の中での販売や副業としての販売が以前よりも増したと言えるでしょう。









ランチュウの価格・・・品評会入賞魚@

ランチュウの相場が下落する中で、結果の出した魚を品評会入賞魚として売買されることが多くなりました。
品評会入賞魚は希少性やブランド力を極めて分かりやすく併せ持ち、高い価格帯になり易いのが理由です。

実際、ランチュウにおける選別率の高さは尋常ではなく、1回の交配で3000〜5000個の産卵があり、
それを1匹ずつ手作業で選別し、その中に会魚が1匹でも含まれていれば当たりの世界となっています。

さらに、会魚が仕上がるには飼育者の技術が必要となりますし、逆に会魚に仕上がったとしても、
数秒〜数十秒で評価される一次審査で泳がなければ、品評会での入賞獲得自体が難しいものとなります。

ランチュウはギャンブルの要素がある訳ですが、入賞魚は素質と技術と運のハードルをクリアしており、
品評会入賞魚は高い価格帯になってしまうのも当然の結果です。しかし本質は全く異なります。









ランチュウの価格・・・品評会入賞魚A

入賞魚を購入する際の注意として、病気を持ち込む可能性と姿のピークについての理解は必要です。

入賞魚は他の魚との接触や環境の変化によるストレスで、病気を発症してしまう可能性が高く、
もし、ヘルペスなどを持ち込んでしまうと全ての魚に伝染し、全滅の可能性を覚悟する必要があります。
これを極端に考えると、リスクを高い価格帯で購入していると言い換えることが出来ます。

また、ランチュウの姿は常に変動し、良い姿で持続するどころかピークを迎えた後は姿を崩して行きます。
東大関を獲得した魚が次の大会で活躍し、横綱になるのは稀であることを考えると分かり易いと思います。

この様に入賞魚は病気のリスクを併せ持つだけでなく、姿も価格もピークの状態であることを踏まえ、
売買することが大切です。1年前に役を獲得した魚の現状を見て眼を疑った経験の方は多いと思います。









品評会参加・・・会魚育成に拘る

品評会では当歳魚・弐歳魚・親魚の部門があり、近年最も注目(花形)されるのが当歳魚の部門と
なっています。そんな当歳魚は様々な飼育技術が詰め込まれており、飼育に要した時間も
多大であったことが伺われます。

一方で、本来のランチュウを最も表現するのは、完成の美として王者たる品格と威厳を併せ持つ
親魚の部門で、例えば内閣総理大臣賞などの最上位の賞は、今でも親魚・東大関に
与えられる場合が殆どです。

そして、実際の品評会での魚の出品数を見ると、当歳魚>>弐歳魚>親魚の順になっており、
ここに時間の確保が難しい愛好家が自ら会魚を創り、品評会を楽しむ為のヒントが隠されています。

時間の確保が難しい愛好家は、弐歳魚や親魚の部門で勝負を楽しむ方法があると言うことです。

親魚はカシラと太身による迫力が必要と言われますが、親魚に向けての選別では尾張りの良い
当歳魚を残し、それを数年かけて育成することで、当歳魚よりも時間に追われることなく品評会を
楽しむことが出来る訳です。









品評会参加・・・会魚を購入する@

勝負の出来そうな会魚が手元にいる場合、現状では自らが出品して入賞を目指すことが大半の為に、
簡単には市場に出回りません。したがって、会魚を入手する目的で買い屋(バイヤー)の方々は
日本全国を巡る訳です。

しかし、もっと確実で簡単な会魚の入手方法があります。

ランチュウを扱う養魚場や金魚店と交流を深め、早い段階で素質のある魚を確保すれば良い訳です。
非常に優れた鑑識眼を持った方々は、黒仔までに会魚を見つけ出してしまいます。

また、自ら入賞を目指さない創り屋と信頼関係を深めると、一般的な相場よりもはるかに良心的に、
しかも審査法の違いを踏まえるなど現実に沿いながら、会魚の選択や入手が可能となります。









品評会参加・・・会魚を購入するA

品評会の世界は不確定要素を含むことから、会魚であっても入賞が確約されない現状があります。
当然、会魚の取り引きではお互いの理解と納得が求められる訳です。

2013年、私は品評会の世界を引退しましたが、それと同時に会魚に対する問い合わせが増え、
2014年度はさらに増加するという予想外の現象が生じました。

その問い合わせ内容には、私が出品しようとしていた会魚を譲ってほしいなども含まれており、
買い屋の方々は、私が想像している以上の世界観を持ちながら会魚を追い求めていました。

そんな方々の希望にも添えるよう、2015年度に「趣味としてのランチュウ飼育」のページを作成し、
様々な内容と共に、素質のありそうな魚も紹介しています。

分譲魚として掲載されていない魚であっても、気になる魚がいればご連絡を頂いても大丈夫です。
会魚を探す負担が少しでも軽減される様に、私なりの手助けが出来れば幸いに考えています。






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