2006年度


2006年度の総括。

今シーズンは「錦蘭会 当歳魚 小之部」に焦点を絞り、それに向けた飼育を行って参りました。
その為に採用した飼育技術は、早採り・形固定・色揚げ・2匹飼い・3匹飼い・熟成です。

通常なら2月交配の早採りの場合、10月上旬で13cmを優に超える大きさになりますが、
それをひたすら我慢し、成長させずに餌を限界まで与える続ける事で形固定を行いました。

1年を通して水変えの間隔を限界まで伸ばし、青水と青苔を使い続ける事でキッチリと色揚げを行った後、
2匹飼い、そして3匹飼いで縦方向だけへの成長を促進させる事を試みました。

その後、魚の若さを無くして深みを持たせる為に、熟成と胴回りの調節を行い、仕上げとしました。

上記の方法では、魚を大きくする事は最初から諦める事となりますが、
色揚げと姿の固定に関しては、抜群の効果を発揮する事が出来ると私は考えております。

また、様々な実験を行いました。

@種魚の体色の仔への体色の影響。
A人工受精と自然交配の違いによる仔の姿への影響。
B受精後にメチレンブルーを使用する事における当歳魚への影響。
C稚魚期のエラ病と、その後の姿への影響。
D紫外線の魚の色揚げへの影響。
E紫外線の飼育水への影響。
F青苔と魚の色揚げへの影響。
Gエラ病の治療法(エアー・薬剤・塩分濃度)。
Hマツカサの治療法。
I露天と屋根付きの飼育環境の違いと当歳魚への影響。
J夜間の飼い込みとその効果。

更に、以下のような事を新しく経験しました。

@未熟魚の孵化とその後の姿。
A防鳥ネットをすり抜けたゴイサギ。
B金属タワシの魚への害。
C早採りと抱卵との関係。
D錦蘭会一部の入賞の難しさ。

これらの内容は、何れどこかに記載して行きたいと考えております。

最後に今シーズンを振り返り、ランチュウは弛まぬ努力と情熱が必要である事を改めて実感致しました。

この様な中で、毎年上位入賞をなさっている諸先輩方に、改めて尊敬を称すると共に、
私自身も「ランチュウは心なり」という信念で、試行錯誤を繰り返しながら研鑽して参る所存でございます。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。

                                             伊東養魚場 伊東敬光




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