簡易容器について


1.FRP容器とは・・・@

タタキ池の代わりとして重宝されている。

FRPは繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)の略であり、
プラスチックの中にガラス繊維を入れた強度の強い素材の事を言います。

FRPで作られた容器は水圧で変形する事が殆どありません。
また、保温を施した場合はタタキ池とプラ舟の要素を併せ持つ容器となります。






2.FRP容器とは・・・A

最大の欠点は色揚げである。

FRP容器は色揚げの問題が生じますので様々な対処が必要となります。

先ず保護色の効果を得る為に、飼育容器を暗い色とする事が大切です。
ブルー系の容器は非常に美しいものですが、体色が薄れて行くと言う現象が
生じますので私はお勧め致しません。

次に青苔を確保する為に、表面がざらついている置物を底に沈める事が求められます。
置物に青苔を生やして魚に与える訳です。

青水の使用も良いですが、縦方向への成長が抑制されますので、
魚を大きく成長させたい場合は必要最小限度に留める必要があります。

色揚げ用ペレットの割合を増やす事も大切な要素と言えるでしょう。

褪色が始まった頃から色揚げ用ペレットを餌に加え始め、
秋からは色揚げ用ペレットだけを与える方法を行う方法があります。

ただ、この様な対処を行ったとしても十分に色が揚がって来ない魚がいる事も事実です。



3.プラ舟とは

手軽さからプラ舟を好む愛好家は多い。

移動可能なプラスチック製の池をプラ舟と呼び、様々な形や大きさや色が有ります。

一般的には、日曜大工コーナーで販売されている左官用のコンクリート練り箱がよく使われていますが、
最近はランチュウ飼育用のプラ舟も見かける様になりました。

屋外で飼育するに当たって、手軽さと耐久性と価格に優れている
プラ舟を好む愛好家は多いと言えるでしょう。






4.プラ舟飼育の長所

最大の長所は手軽さである。

プラ舟の最大の長所は手軽さと耐久性と価格に優れている事ですが、
タタキ池と組み合わせて使用する事で飼育に幅を持たせる事が出来ると言う長所もあります。

具体的には、プラ舟は魚の管理が行い易い為に、稚魚期に使用すると水換えが楽になります。
また、孵化後3週間に発生しやすいエラ病もプラ舟飼育で防ぐ事が出来ます。

さらに、プラ舟では運動が制限される為に、尾張りを維持させる事が出来ますし、
形固定を行い易い容器であると言う事も出来ます。

また、品評会を目指すに当たって、プラ舟だけで会魚を創る事は可能であると言えるでしょう。



●プラ舟の長所

・屋外飼育が可能。
・自由な場所に設置が可能。
・耐久性がある。
・価格的に優れている。
・飼育に幅を持たせる事が可能。
・尾張りの維持が容易。
・形固定を行う事が容易。
・魚の管理を行い易い。
・平滑な表面で掃除が容易。



5.プラ舟飼育の欠点

水温差と色揚げに問題がある。

プラ舟は保温作用が無い為に、1日の水温差が大きくなってしまいます。
したがって、保温材で囲う方法・日除けを使用する方法・設置場所を変更する方法が必要となります。

また、内面が平滑である為に青苔が生え難く、色揚げにも問題が生じてしまいます。

この場合の対処としてはFRP容器と同様の方法を行う必要がありますが、
内面を金属タワシなどで擦って意図的に傷を付ける方法(青苔がわずかに付き易くなる)もあります。

他にも、水量が少ない為に水質の悪化や青水化が速く、水換えのタイミングを
逃さない様にする事が大切です。
早めに水換えを施行した方が安心と言えるでしょう。

水換えにおいても水を抜く際に工夫が必要となります。排水栓をつけるもの1つの方法ですが、
私は太いパイプを用いて、サイホンで水を抜く方法を採用しています。

パイプが太い為に素早く水を抜く事が出来る訳です。
最後に残った水で内面を掃除した後、プラ舟をひっくり返す要領で全ての水を除去します。



●プラ舟飼育の欠点。

・1日の水温差が大きい。
・体調を落とし易い。
・日除けの使用が必要。
・保温材の使用が必要。
・青苔が生え難い。
・自然な色揚げが期待出来ない。
・水質の悪化が早い。
・青水化が早い。
・排水に工夫が必要となる。










6.私の養魚場のプラ舟

私は左官用のプラ舟を使用している。

私の養魚場には左官用のプラ舟が30面あり、
これらのプラ舟をシーズン中はフルに活用しています。

大きさは何れも、縦77cm×横120cm×深さ20cmのタイプを使っています。



7.シートを張った容器・・・@

手軽に任意の大きさの池を作る事が出来る。

シートを張った容器は、手軽に任意の大きさの池を作る事が出来ます。

製作の方法は、木材やブロックを用いて容器の外壁を作成します。

その内面に発泡スチロールなどの断熱剤を設置し、
さらにその内面に厚さ0.2mm程度のシートを張ります。

水漏れを防ぐ為にシートは2枚張ると安心です。
その後、シートの端を固定して水を入れる事で完成します。

タタキ池を作る労力が無い場合・プラ舟では容量が小さいと考えた場合・緊急時の場合など、
シートを張った容器の使用を考慮すると良いでしょう。



8.シートを張った容器・・・A

水漏れと決壊が最大の心配。

長期間使用を続けると、シートが傷む事で水漏れが生じる可能性が高くなりますので注意が必要です。
したがって、シートを張った容器の使用は一時的に留めた方が良いでしょう。

また、外壁に強度が無い場合は、水圧で決壊してしまいますので注意が必要です。
外壁に隙間を作らない様にする事や水圧に負けない強度にする事が大切と言えます。

シートを張った容器には排水が無い為に、水換えも大変な作業となります。
サイホンや池の外壁の一部を「取り外し可能」にするなど、様々な工夫を行う必要がある訳です。



9.小児用プール(家庭用プール)

手軽に池の臨時増設が可能。

臨時的に池の増設を行う場合は小児用プールを使用するのも1つの方法です。
小児用プールの大きさは様々であり、大きいものでは直径2mを超えるタイプがあります。

また、外壁に空気が入るタイプのものは、ある程度の保温効果が期待出来ますし、
強度に関してもシートを張った容器よりも強く、水漏れの心配は少ないと言えるでしょう。

排水栓が付いているタイプがある事や低価格である事も利点です。
この様な事から、小児用プールはシートを張った容器よりも優れていると私は考えます。







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