交配の種類


1.ブリーディングについて

ブリーディングは馬や犬の世界で古くから発達。

ランチュウは魚類、馬や犬は哺乳類であるという大きな違いはありますが、
基本的なブリーディングの方法や考え方は同じで良いと私は考えています。

特に犬のブリーディングは「姿を競う」と言う点でランチュウと共通し、
そのブリーディング技術を学ぶ事は決して無駄ではないと私は考えます。
ランチュウへの応用が出来る可能性がある為です。

犬の場合、インブリードやラインブリードを行う事で系統の固定と確立、
さらには美点の強化を目指します。

インブリードやラインブリードでは欠点も固定される為に、
それを打開する目的でアウトブリードが行われます。
その後さらにインブリードやラインブリードを繰り返す事でチャンピオン犬を目指す訳です。

新しい犬種の誕生は、アウトブリードにて得た特徴をインブリードやラインブリードで
固定化させる事で行います。



2.インブリードとは

直系や傍系1〜2代の血族間の交配。

インブリードとは直系や傍系1〜2代の血族間の交配であり、極近親交配とも呼ばれます。
具体的には、親と仔、兄弟間、祖父母と孫、異父兄弟、異母兄弟の交配を言います。

インブリードは系統の固定と確立、さらには美点の強化を行う事が出来ますが、
取り除きたい欠点も強くしてしまいます。

それに加え、小型化、生殖能力低下、免疫機能低下、劣性ホモによる遺伝的疾患の増加も
来たす問題があります。



3.ラインブリードとは

共通の祖先を5代前までにもつ血族間の交配。

ラインブリードとは共通の祖先を5代前までにもつ血族間の交配であり、系統交配とも呼ばれます。
具体的には、共通の祖先を5代前までにもつ交配の中でインブリードを除いた交配を言います。

ラインブリードは血の濃さを保たせながら美点の強化が行える為、
その完成度は極めて高いものとなります。

しかし、系統の範囲を超える事が無い為に固定された欠陥を取り去る事は
非常に困難なものとなります。



4.アウトブリードとは

5代前までに共通の祖先を持たない交配。

アウトブリードとは5代前までに共通の祖先を持たない系統同士の掛け合わせであり、
異系交配とも呼ばれます。

アウトブリードでは、雑種第1世代(F1世代)において雑種強勢(ヘテローシス)の効果が
期待出来る為に、親よりも体格や成長力や繁殖力が優れる結果となり易い特徴があります。

しかし、アウトブリードでは生まれてくる仔の姿がばらつく上に、
どの様な姿になるかの予測が出来ません。

したがって、確立した系統であるにも関わらず、アウトブリードを繰り返し行う事は
避ける必要が出て来る訳です。

●交配方法の種類

・近親交配:1〜2代の血族間交配。
・系統交配:5代前までに血族がいる交配。
・異系交配:5代前までに血族がいない交配。



5.近親交配と系統交配と異系交配

交配でランチュウの系統の内容は変化する。

ランチュウにとって系統は非常に大切なものであり、
実際に「ランチュウは系統が全て。」と言う言葉がある程です。

その大切な系統の内容を変化させる事が出来るのが交配であり、品評会で入賞を目指す場合や
魚を改良する場合は、より一層、系統の内容に拘る事で、今以上の系統にしたいものです。

この為にも、近親交配と系統交配と異系交配のそれぞれの特徴を知り、
実際に系統創りに役立てる事が大切です。

最も良い方法としては、近親交配と系統交配で自分の理想に近い系統の基礎を
ある程度まで創り上げ、その弱点を補う為に新しい血を導入し、
さらに近親交配と系統交配で改良していく方法だと言われています。

しかし、ランチュウの場合、系統交配に関する認識があまりされていない為に、
魚を創り上げていく上で、近親交配を繰り返しながら異系交配を行う方法が一般的です。







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