たたき池のつくり方

1, たたき池をつくる前に

たたき池をつくる場合の注意。

たたき池は1度つくってしまうと移動が効きませんので、あらゆる事を想定して計画を十分に練って下さい。

その上で、たたき池をつくると決めたならば、十分な設計と資金と労力、
そして途中で諦めない精神力が必要です。タタキ池を素人がつくる事は、想像以上に大変な事です。

なお、ここで紹介する池は、4人の労力で基礎工事を終わらせ、
仕上げの上塗りのみを専門家に依頼し、計15万円程の費用で完成させたものです。


たたき池をつくる場合 1, 日当たりや風通しが良い場所を選ぶ。
2, 管理のしやすさから正方形に近い形にする。
3, 雨水などが地上から池に流入しないようにする。
4, 掃除が楽になるように池の角や四隅に丸味をつける。
5, 水があふれた場合に備え、オーバーフローをつくる。
6, 底に白い陶器の皿を埋め込んだ魚溜りをつくる。
7, 金属の使用は絶対に避ける。
8, 家族の協力と理解を得る。



2, たたき池の作成の手順

たたき池を実際に作成するときの手順を紹介します。

@たたき池の設計を、実際に紙に書き出す事で正確に行う。
 ※設計は少なくとも1cm単位で行う様にする。
 ※1つのブロックの長さは39cmであるが、ブロック間に1〜1.5cmの目地が必要である。
 ※排水の位置は、池の最も深い魚溜りの中央に設置する事が多い。
 ※ここで紹介している排水の位置は、魚溜りには設置していない。



@たたき池をつくる場所を選んで、大きさを考えながら大まかに整地する。

Aブロックの枠と排水の場所を、誤差1cm以内を心掛けながら正確に地面に記す。
 ※メジャーで正確に長さを測り、石灰などで記すと良い。
 ※池の形を綺麗な四角形にする為にも、真っ直ぐな直線と90度の角を心掛ける。

B四角形の四隅に杭を打ち、ブロックの枠となる所に水平な糸を張る。
 ※杭はしっかりした材質のものを正確に垂直に打ち込むことが大切。
 ※水平な糸を張る場合は、水平器を使用すると良い。
 ※張る糸の高さは、1段目のブロックが糸の下に入る高さ(20cm)にする。
 ※糸の位置は、将来的にブロックの縁となるので、慎重に張る。
 ※地面が盛り上がっている所は、1段目のブロックが糸の下に収まるまで掘り下げる。

Cブロックの土台となるセメントを入れる分だけ、さらに地面を掘り下げる。
 ※地面の印に従って、幅15cm程度・深さ1〜2cm程度掘り下げれば良い。

D排水パイプが、1段目のブロックの下を通る深さまで掘り下げる。



@掘り下げた所を大まかに整地する事で、残った土の塊などを取り除く。

A実際にブロックと排水パイプを並べ、位置関係や深さを確認する。
 ※ブロックの間に作る目地を考慮しながら並べる。
 ※糸を最初の高さに張り直し、ブロックの高さが糸の高さを超えていない事を確認する。



@勾配を考えながら排水パイプを埋め込み、ボンドで完成させる。
 ※上向きのパイプはまだ接着せず、土がパイプの中に入らない様に軽く差し込む程度に留める。
 ※上向きのパイプは、後にオーバーフローを兼ね備えた排水栓になる。



@再度、水平器を使って今までと同じ高さに水平な糸をしっかりと張る。

A張った糸に沿わせる様にして、セメントを使いながら1段目の枠組みを完成させる。
 ※糸の位置は、ブロックの縁となるので極めて慎重に張る。
 ※1つの直線ずつ、丁寧に完成させて行く。
 ※最初の方で目地に長さを使い過ぎると、あとで目地の長さが確保出来なくなる。
 ※1つのブロックを置く毎に、水平器で置いたブロックの水平を確認する。
 ※置いたブロックが横のものより高い場合は、木づちで叩いて沈め、低い場合はセメントを補充する。
 ※目地でない穴に、土を詰め込んで、保温とセメントの節約と余分な土の処理を図る。



@水平器を使って、2段目のブロックの高さに1段目と同じ様に水平な糸を張る。
 ※2段目の高さは、1段目の高さに2段目のブロックの高さとその間の目地の高さを足したもの。
 ※杭が垂直でない場合は、糸を綺麗に張っても1段目の真上に来ないので注意。

A張った糸に沿わせる様にして、セメントを使いながら2段目の枠組みを完成させる。
 ※目地でない穴に、土を詰め込んで、保温とセメントの節約と余分な土の処理を図る。
 ※土を上まで詰め過ぎると、仕上げの上塗りの強度が弱くなる為に、2〜3cm程詰めずに残す。
 ※ブロック間のセメントの量を一定に出来る器具がホームセンターなどで売っている。
 ※土を棒などで押し込み過ぎると、ブロックが歪んだり、目地から出て来てしまうので注意。

B1段目と2段目のブロック間の目地を、目地小手を用いて完成させる。
 ※目地はブロック間のセメントを目地小手で5mm程くぼませると良い。
 ※目地をするのは外側だけでよく、内側ははみ出したセメントを取り除くのみでよい。

C横とのブロックをセメントで継ぎ合わせる為に、目地となる部位をガムテープで覆う。

Dガムテープで覆い終ったあと、上の穴からセメントを流し、棒などでしっかりと詰め込む。
 ※少々ガムテープが剥れてしまう程の量をしっかりと詰め込む。
 ※上まで詰め過ぎると、仕上げの上塗りの強度が弱くなる為に、1〜2cm程詰めずに残す。

Eしっかりとセメントを詰めたら、ガムテープを剥して目地を完成させる。
 ※目地はブロック間のセメントを目地小手で5mm程くぼませると良い。
 ※目地は外側だけでよく、内側ははみ出したセメントを取り除くのみでよい。



@余っている土を池の周囲や池底や枠組みの部位に戻す。
 ※土が足りなくても、仕上げの段階でセメントで補うと良い。

A内側のブロックの継ぎ目に、セメントがはみ出たままでないかを確かめる。
 ※セメントがはみ出ていれば、その部位を削り取る。



@排水パイプの詮の高さを、池の水深に合わせて調節し、ボンドで完成させる。

A魚溜りや勾配などを簡単に形作り、砂利などでしっかりと固める。
 ※魚溜りは水換えの時、稚魚を一箇所に集めるのに便利。

Bセメントを固める目的と完成後の地盤の低下を防ぐ目的で、1週間以上放置する。
 ※この間、風雨にさらせ、十分に踏みならすと地面が固まり易い。



@底がしっかり固まった事を確認し、防水モルタルで底を簡単に仕上げる。
 ※仕上げの事を考えて、排水詮の先端部は3cm程度残しておく必要がある。
 ※上塗りを専門家に依頼しない場合は、この作業は必要無い。
 ※魚溜まりを熟知している専門家に依頼する場合は、この作業は必要無い。



@池の内面全てを防水モルタルで上塗りして完成させる。
 ※白い陶器の皿を魚溜りの一番深い所に埋め込むと良い。
 ※白い皿は、青水の濃さを判断する目安となる。
 ※白い皿は、水換えの時に残っている稚魚を発見するのに役立つ。
 ※仕上げの上塗りだけでも専門家に依頼した方が、外見と水漏れ対策に良い。


3, たたき池をつくった後の注意

たたき池はつくって直ぐには使用できません。

完成したばかりのタタキ池はアルカリ性が強い為、
最低1ヶ月は水を入れたまま放置する必要があります。

完成後に水漏れする場合は、サラ砂とセメントを1:1程度で混合し、
ヒビ割れや隙間がある部位に、擦り付ける様にして塗る事で改善するが出来ます。

池に水を入れずに、晴天下で放置するとヒビが入るので注意が必要ですが、
その場合の対処法として、上記の方法を使用します。

たたき池を作って半年ほどは内面に小さな凹凸がない為、青苔がつき難い状態ですが、
1年使い続けるとやがて細かい凸凹が出来、青苔が生えて来ます。


タタキ池の改造

1.タタキ池の改造法

来シーズンの飼育に幅を持たせる目的と、さらに良い環境を魚に与える目的で、
今まで使い難いと感じていた池を、思い切って改造する事にしました。

方法は、深すぎる水深と無駄に長い奥行きを改善し、
私にとってちょうど良い大きさの正方形の池が8面出来る様にするものです。



※水を抜き、配水管を設置している所。
※これまで無駄に大きく、最適な用途もなかった為、非常に扱い難いタタキ池だった。



※今までの排水管を利用して、新しい配水管の設置を行った。
※これで水深が、今までよりも10cm程度上昇する事になった。



※ブロックをセメントで固めながら、池を2つに仕切る様に配置した後、
  池の底面と仕切りの部位だけを上塗りで完成させた。
※残る3側面は、上塗りせずに以前のまま使用。
※完成後、アク抜きを2ヶ月間行い、来シーズンに使用できる状態となった。


2.改造タタキを1年間使用した感想

予想通り非常に魚の管理を行い易いタタキ池となりましたが、
池底が10cm程度上昇した分、水深を最大で20cm程度しか確保できず、
夏場は水温の上昇を防ぐ為に日除けが必要となりました。

改造の設計段階で心配していた敷居の隙間からの水漏れに関しては、
全く問題なく過ごす事が出来、今後も大丈夫の様です。

同じく設計段階で心配していた新しい配水管を経た水の対側の池への逆流ですが、
これは満水でいきなり栓を外した場合に認められました。
ただ、水を抜き始める時は栓を斜めにしながら抜くなどの工夫で解決出来るものでした。




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