種魚の選択


交配による仔の体色の割合

※以下はリュウキンを交配させた場合のデータである。
※参考文献:金魚飼育器具価格表第6号



1.昔からの言葉・・・基本@

太身のあるメス魚に尾形の良いオス魚を選ぶ。

種魚の選択にあたって、「太身のあるメス魚に尾形の良いオス魚を掛け合わせる。」と言う
昔からの言葉があります。

仔にはオス魚の尾形が、そしてメス魚の太身が遺伝し易いと言う事を示した言葉です。

しかし、この言葉は遺伝学的理論では話の通る事ではない上、
当り腹やハズレ腹、選別、系統の良し悪しなど、様々な他の要因がありますので、
参考程度に留めて置いた方が良いと私は考えます。






2.昔からの言葉・・・基本A

良系統の中から太くて尾形の良い魚を選ぶ。

品評会に通用する魚を創る目的で種魚を選択する場合、
「良系統の中から太くて尾形の良い魚を選ぶ。」と言う昔からの言葉があります。

良い尾形は良系統からしか出ない為です。

しかし、最近は様々な良系統が出回る様になった結果、良系統だけを武器に
品評会で勝ちに行く事は出来なくなったと言えるでしょう。






3.良系統とは・・・基本

役魚に絡む事の出来る系統。

これまで言われていた良系統とは、実際に有名な品評会で
役魚に絡む事が出来ている系統の事を言います。
この場合、必ずしも優等に入賞した魚でないといけない訳ではありません。

逆に、良系統でない系統とは、品評会で成績の上がっていない系統の事を言います。

良系統でない魚を幾ら交配させても、品評会で勝ちに行ける良い尾形の仔は
出て来ないと言えるでしょう。



4.尾形の良い種魚とは・・・基本

親骨が平付けの位置で横に伸びているもの。

昔から言われている尾形の良い種魚とは、親骨が平付けの位置で
しっかりと横に伸びているものであれば良く、裾の使い方については問題視されません。
つまり、張り過ぎの尾、ビリやマクレ、尾芯に欠点があっても良いと言う事です。

逆に、良い尾形とは言えないものは、貧弱な親骨、後方に向いて伸びている親骨、
尾張りを失う程に弱い尾肩、派手立たない創りの尾形の事を言います。

●昔からの種魚の選択

・役魚に絡む事が出来ている系統。
・良い尾形は良系統からしか出ない。
・親骨が平付けの位置にある系統。
・ビリやマクレは問題なし。
・太身の無さは退化を意味する。






5.初心者が陥りやすい誤り

カシラや太身の迫力に眼が奪われがちとなる。

初心者は、尾形よりもカシラや太身の迫力に眼が奪われがちとなる傾向があります。

尾形の事をあまり考える事無く、カシラと太身に拘って繁殖させてしまうと、
結果としてカシラや太身は申し分ないものの、ビリ系統など尾形が×の系統を創ってしまいます。

観賞目的でカシラと太身だけ良ければ構わないと考える場合は良いのですが、
最も奥深さのある尾形に拘りたい場合や品評会を目指す場合は考えを変える必要があります。

つまり、品評会で上位入賞を本気で考える場合、良い尾形を創る事に全力を注ぐ必要がある訳です。

カシラや太身に拘りたい気持ちは十分に分かりますが、観賞だけに留まる事無く、
最も奥深くかつ難しい尾形に拘り、品評会で上位入賞を目指す事にこそ、
ランチュウ飼育の真の醍醐味があると私は考えます。




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