ランチュウと飼育水


1.飼育水の状態・・・@

ランチュウは新水よりも青水を好む。

昔から「ランチュウは青水を好む。」と言われています。
青水にはプランクトンが豊富に含まれており、絶好の天然飼料になる為です。






2.飼育水の状態・・・A

溜水(止水)での飼育が基本。

ランチュウは、横幅のある体型と開いた尾を持つ為に、素早く泳ぐ事が出来ません。

したがって、流水中での飼育は魚に大きな負担を与える結果となりますので、
溜水(止水)での飼育が基本となります。



3.飼育水の状態・・・B

尾形は止水で泳がせて創る。

流水中で飼育を行った場合、強運動によって尾張りが失われる結果となります。
したがって、尾張りを維持させる為には、止水で強運動を抑制する事が大切となる訳です。

しかし、土佐金の様に極端な運動抑制を行う事は好ましくありません。
尾先を使わない尾形に仕上がる為です。

ランチュウの尾形を非常に見応えのあるものに仕上げる為には、「適度な運動」によって
尾先だけを緩める必要がある訳ですが、この「適度な運動」が非常に難しいものとなっています。



4.水質を知る・・・@

水槽飼育では水質に注意する。

ランチュウの育成において、水換えのペースや割水の程度は重要な要素となりますが、
魚を健康に育成する為には、水質にも注意を払う必要があります。

特に、水槽などの小容器で飼育を行う場合、水質の変動は大容器よりも激しい為に、
十分な注意が必要であると言えるでしょう。



●水質について。

・魚の健康に関わる。
・大容器では水質の変動は緩やか。
・小容器では水質の変動が激しい。






5.水質を知る・・・A

基礎知識を身につける事が大切。

水質を決定する主な要素を考えた場合、残留塩素濃度、pH、アンモニア濃度、亜硝酸濃度、硝酸濃度、
総硬度(GH)、炭酸塩硬度(KH)、溶存二酸化炭素濃度、溶存酸素濃度、青水の程度があります。

もし、これらの要素についての基礎知識がない場合、異変が起きた際に適切な対処が出来ず、
不必要な添加剤や薬品を使用してしまう事になります。

したがって、水質に関する基礎知識を身に付ける事は大切と言えるでしょう。



●水質を決定する主な要素。

・残留塩素濃度。
・pH。
・アンモニア濃度。
・亜硝酸濃度。
・硝酸濃度。
・総硬度(GH)。
・炭酸塩硬度(KH)。
・溶存二酸化炭素濃度。
・溶存酸素濃度。
・青水の程度。



6.水質悪化の原因

餌の食べ残しや排泄物が水質悪化の原因となる。

水は生き物であると言われる様に、時間と共に水質は刻々と変化します。
その主な原因は餌の食べ残しや排泄物です。

尿として排泄されるアンモニアは有害である上、増加するとpHの上昇(アルカリ化)を引き起こします。

また、餌の食べ残しや排泄物は、水中のバクテリアの働きで硝化されますが、
量が多いと分解に多くの酸素が使われ、水中の酸素不足を招く可能性があります。

また、硝化によって生じた硝酸塩は、蓄積する事でpHの低下(酸性化)を引き起こします。

餌の食べ残しや排泄物が蓄積すると、カビや病原菌が猛烈に繁殖し、
更なる水質悪化や病気を引き起こす事にもなります。



●水質悪化の原因

・餌の食べ残し。
・排泄物。
・遅いペースでの水換え。
・割水の使用。
・高い飼育密度。
・強い日照。
・高水温。
・エアレーションの不足。



7.水質悪化を知る手がかり

池や魚の状態を十分に観察する。

水質悪化を知る手がかりとして、エアレーションの気泡に注目する方法があります。

水面に出たエアレーションの気泡がなかなか消えずに、直径60センチを超えて広がっていると、
水質の悪化によって飼育水に粘り気が出ている事が予想出来ます。

また、水質悪化を知る他の手がかりとして、青水の濃さに注目する方法もあります。
急激な青水化が生じている場合は、過栄養状態で水質が悪化している事が予想されます。

水質悪化がひどい場合、青水が一晩にして白濁する事や澄んでしまう事があり、
こうなると全ての魚を落とす可能性がありますので注意が必要です。



●水質悪化の目安。

・エアーの泡が直径60cmを超えて広がる。
・青水が急速に濃くなる。
・魚が気ガス病を起こしている。
・病気以外で魚に食欲や健康さがない。
・池にアオミドロが目立つ。






8.水質悪化を防ぐ為に

こまめな掃除と早めの水換えが大切。

水質悪化を防ぐ為には、餌の食べ残しや排泄物をこまめに掃除する事が大切です。

その上で水の状態を毎日観察し、水質悪化の兆候を認める前に、
水換えを施行する事が最も重要となります。








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