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成長と飼育密度
1.初心者と成長の目安・・・@
初心者は魚を死なせない事が第一歩。
初心者は魚を大きく成長させようと意気込むものの、サジ加減が分からない為に
死なせてしまう場合が多いと思います。これでは自身の飼育技術を向上させる事が出来ません。
初心者はまず魚を死なせない事を第一として、その上でゆっくりでも確実な成長を
心掛ける事が大切であると言えるでしょう。
魚を死なせない飼育をする中で、餌や水換えや飼育密度について試行錯誤を行う事が
上達する上での1つのポイントとなる訳です。
2.初心者と成長の目安・・・A
初心者向けの成長の目安を提示します。
初心者は魚を死なせない飼育を行う事から始める訳ですが、
餌が不足し過ぎている場合は成長が見込めなくなります。
したがって、以下に初心者向けの成長の目安を提示します。
4月上旬に交配させたとして、魚の体調を最優先させた上での目安となります。
この場合、秋の段階で10cm程度の大きさとなりますが、品評会で小之部がある場合は
堂々と戦う事の出来る大きさとなっています。
●初心者の目安。
1週 → 10mm
2週 → 13mm
3週 → 16mm
1ヶ月 → 20mm
2ヶ月 → 42mm (先月より22mm増)
3ヶ月 → 55mm (先月より13mm増)
4ヶ月 → 70mm (先月より15mm増)
5ヶ月 → 85mm (先月より15mm増)
6ヶ月 → 97mm (先月より12mm増)
7ヶ月 → 105mm (先月より 8mm増)
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3.初心者と成長の目安・・・B
試行錯誤を毎年繰り返す事が大切。
上記に初心者向けの成長の目安を提示しましたが、この目安よりも遅れた場合は、
1日の餌の量を増やすか、水換えのペースを早めるか、飼育密度を緩めるなどの対処が必要となります。
ただ、遅れを取り戻そうと意気込むと非常に高い確率で失敗するので注意が必要です。
逆に、この目安を達成した場合、シーズンの飼育を振り返り、
自分の飼育方針と飼育環境を考えながら改良点を探す訳です。
この方法を毎年繰り返す事で徐々に飼育方法に幅が生じ、結果的に上達すると私は考えます。
4, 飼育密度と魚への影響
当歳魚の飼育密度には必ず注意を払う。
飼育密度は魚の姿に比較的大きく影響します。詳細は以下の表にまとめました。
飼育密度を考えるときに最も気をつける事は、密飼いによる病気の発生です。
特に当歳魚は密飼いでエラ病になり易いので注意が必要です。
会用魚を創る為には、魚を縦方向に伸ばしながら尾先を緩める必要があり、
この為には、適切な密度よりもやや低密度で飼育する事が大切となります。
高密度
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水質悪化
病気
成長
餌の食い
運動
尾肩
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・・ 非常に早い。
・・ 高い確率で鰓病が発生してしまう。
・・ 両方向(縦横)の成長が抑制されてしまう。
・・ 水質の悪化と共に急激に落ちる。
・・ あまり泳がなくなる。
・・ 泳がない為に尾肩・尾先共に硬くなる。
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適切な密度(種用) |
水質悪化
病気
成長
餌の食い
運動
尾肩
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・・ よい青水が出来る為に、水質は保たれる。
・・ 体調維持に優れている為、病気にはなり難い。
・・ 両方向(縦横)の成長が加速される。
・・ 競争心が強まる為に食いは良くなる。
・・ 非常によく泳ぐ。
・・ 非常によく泳ぐ為に尾肩・尾先共に柔らかくなる。
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やや低密度(会用)
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水質悪化
病気
成長
餌の食い
運動
尾肩
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・・ 水質悪化の判断や水質維持は難しい。
・・ 水質が良ければ比較的病気にはなり難い。
・・ 縦方向への成長が最も良い。横方向は通常成長。
・・ 競争心が落ちないギリギリの密度。食いは良い。
・・ 比較的良く泳ぐ。
・・ 適度な泳ぎ為に尾先のみを柔らかくする事が出来る。
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低密度 |
水質悪化
病気
成長
餌の食い
運動
尾肩
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・・ 一見、綺麗な水でも水質が悪化している事が多い。
・・ 水質悪化の為に病気になり易い。
・・ 横方向への成長が極端に抑制。縦方向もやや抑制。
・・ 競争心が弱まる為に食いが悪くなる。
・・ あまり泳がなくなる。
・・ 泳がない為に尾肩・尾先共に硬くなる。
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5, 適切な飼育密度について
当歳魚は選別によって飼育密度を調節する。
魚を病気にしない為に、高い飼育密度になるのを防ぐ必要があります。
特に、当歳魚は思い切った選別を行う事で高い飼育密度になるのを防ぎ、
可能な限り早い段階で会用魚と種用魚を見極め、適した飼育密度にする事が大切です。
適切な密度(会用)
(1uあたり) |
体長約 15mm = 100匹まで
体長約 20mm = 60匹まで
体長約 30mm = 50匹まで
体長約 40mm = 40匹まで
体長約 60mm = 20匹まで
体長約100mm = 5匹まで
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