選別の方法

1, 第3回目の選別

基本的には主に横見の選別を行う。

孵化後、3ヵ月を過ぎた頃になると、魚のの背成りが、
はっきりと判断出来る様になっている為、第3回目の選別を行います。

この時の選別で注目するのは、主に背成りと尾立ちで、
これらの姿は、魚の美しさだけではなく、
魚の泳ぎ方にも大きな影響を与える事も忘れてはいけません。

したがって、選別で残す魚は「長めのつげの櫛」の様な滑らかな背なりで、
尾筒に対して尾立ちが90〜120度程度であるものを基本とし、
3分の2から2分の1程度にまで数を減らすと良いです。

なお、初心者は背なりが綺麗な魚ばかりを残す傾向にありますが、
その魚が持つ本来の魅力を見落とさない様、十分に注意して下さい。

例えば、品評会では背なりが悪くとも泳ぎがよければ上位入賞しますし、
背なりが悪くても、種として申し分なく使える魚もいます。

また、成長するにつれて背の中央の高さが増しますので、
親魚になる頃には、悪い個所が目立たなくなっている場合もあります。

しかし、以下の様な魚はハネの対象となります。

横見での着眼点
@つまみ尾
 →尾芯が、つまんでくっついた様子のもの。
 →尾芯すべてに及ぶものや一部だけなど程度は様々。
 →つまみ尾は横見で判断しやすい。
 →程度の強いものはハネる。

Aいかり
 →尾芯の途中から出ている突起。
 →見た目は悪いが、それほど気にする欠点ではない。
 →程度の強いものはハネる。

B尾芯の立ちすぎ
 →尾芯の角度が体軸に対し45度より立っているもの。
 →泳ぎ方も悪い事が多く、程度の強いものはハネる。
 →尾芯を下に曲げる事で強制が可能となる場合がある。

C尾芯の倒れ
 →尾芯の角度が体軸に対し45度より倒れているもの。
 →泳ぎ方も悪い事が多い。
 →程度の強いものはハネる。

D尾しゃくれ
 →尾芯の一部がえぐれた様にくぼんでいるもの。
 →尾皿の鱗の発達障害。
 →尾張りも弱い事が多い。
 →程度に関係なくハネた方が無難。

E浅い(甘い)背下がり
 →尾づけの中心が眼より上方にあるもの。
 →程度は様々。
 →軽い背下がりは強運動で治る事がある。
 →程度の強いものはハネる。

F深い背下がり
 →尾づけの中心が眼より下方にあるもの。
 →程度は様々。
 →泳ぎ方も悪い事が多い。
 →程度の強いものはハネる。

G筒しゃくれ
 →尾筒の一部がえぐれた様にくぼんでいるもの。
 →尾筒の観賞上、致命的と言えるほど好ましくない。
 →止めの甘い魚は会魚として不可。
 →程度に関係なくハネた方が無難。

H背とまり(止まり)
 →尾づけ近く(止め)の隆起。
 →見た目は悪いが、それほど気にする欠点ではない。
 →止めの甘い魚は会魚として不可。
 →程度の強いものはハネるが種魚として使用可。

Iがん首(雁首)
 →キセルの雁首のように止めの所で急降下するもの。
 →背とまりの程度がひどいものとして考える。
 →程度に関係なくハネた方が無難。

J背こぶ・腰こぶ
 →背の理想のラインに対し中央部や腰にこぶがあるもの。
 →会での使用は不可。審査委員は魚を握った瞬間に判る。
 →泳ぎ方も悪い場合が多い。
 →程度には関係なく全てハネる。種には不向き。

K背くぼみ(背だれ)
 →背の理想のラインに対し中央部や腰にくぼみがあるもの。
 →将来的に埋まる可能性がある。
 →ハネる必要は無い。泳ぎへの影響も少ない。

L背一文字
 →浅い(甘い)背下がりのため、背にカーブがなくなったもの。
 →泳ぎ方も悪い事が多い。
 →強運動で目立たなくなる事がある。
 →少々程度が強くてもハネる必要は無い。

Mのこぎり背
 →背から腰にかけて小さな凸凹があるもの。
 →泳ぎ方も悪い事が多い。
 →将来的に目立たなくなる事があるが全てハネた方が無難。

N背の急斜(背すべり・への字)
 →腰から止めにかけての大きな凹み。
 →程度の軽いものは埋まる可能性がある。
 →遺伝性が高い為に種魚としては不可。

O帆立
 →背や腰の途中から出ている突起。
 →見た目は悪いが、それほど気にする欠点ではない。
 →程度の強いものはハネる。

Pこれまでの見落とし


2, 第3回目の選別の実際

第3回目の選別を写真で紹介します。

第3回目の選別で残す魚の目安と、
よく見られる不良魚について写真を使って説明致します。

どうぞ、ゆっくりとご覧頂き、選別眼を養って下さい。
なお、写真は随時追加して行く予定です。

 
※止めの部位が決まっていないと品評会は不可。


 
 
 

 
 
 


3, 初心者に対する第3回目の選別でのアドバイス

背なりに神経質になり過ぎない。

初心者は、魚の背なりを非常に重要視するという傾向があり、
青子の時点で完璧な背なりを求めてしまいます。

ただ、経験を積んで行けば判ってくる事だと思いますが、
実際は、そこまで神経質になる必要は無い部位であると言う事が出来るのです。

これは、例え背なりが悪くても、押さえる所を押さえている限り、
会魚や種魚とて、背なりが良い魚以上に使用出来る場合がある為です。

したがって、この時期の選別では、背なりよりも横から見た尾芯の状態に注目し、
ツマミや尾芯の角度、尾筒付近の欠点の有無を確認し、選別を行う方が良いです。

●初心者に対するアドバイス

 1)背なりに関し、神経質になり過ぎない。
 2)ひどいツマミ、筒しゃくれや背すべりに注目して選別を行う。
 3)背なりについては、止めの欠点・背の瘤・背高・腰高にも注目する。
 4)3分の2から2分の1程度にまで数を減らす。




前 pageに戻る
top pageに戻る