|
選別の方法
1, 第2回目の選別
基本的には上見だけでの選別を行う。
孵化後、1ヶ月を過ぎた頃になると、稚魚の尾の開きは非常にはっきりとしているうえ、
尾芯の状態も判断出来るようになっているので、水換えの際に、第2回目の選別を行います。
この時の選別で注目するのは、主に尾芯の状態と尾張りですが、
中でも、挿し尾は必ずハネる様にする必要があります。
理由として、挿し尾自体が遺伝性の非常に高い欠点であるうえ、
一見、綺麗に尾が開いている様に見える挿し尾の魚でも、
将来的に、尾張りを裏から支える尾皿の鱗の力が弱くなってしまい、
結果として、尾張りが極めて弱くなってしまうなど、尾型を大きく崩してしまう為です。
したがって、この時期の選別で残す魚は、尾芯の状態が綺麗で、尾張りの良い魚を残す様にして、
2分の1から3分の1程度にまで数を減らすと良いです。
しかし、以下の様な魚はハネの対象となります。
|
@さし尾
→黒く見える尾芯が尾筒にまで挿し込んでいるもの。
→鱗1枚半までのさし尾は許容範囲とされる。
→この時期に判断出来るものは許容範囲には収まらない。
→程度には関係なく全てハネる。
Aつまみ尾
→尾芯が黒く見え、つまんでくっついた様子のもの。
→尾芯すべてに及ぶものや一部だけなど程度は様々。
→程度の強いものはハネる。
B尾芯太
→つまみ尾ではないが、尾芯が黒く太すぎるもの。
→尾芯すべてに及ぶものや一部だけなど程度は様々。
→程度の強いものはハネる。
C尾芯の湾曲
→尾芯が一直線でないもの。
→程度の強いものはハネる。
D尾芯の傾き(尾芯振れ)
→尾芯が左右どちらかに傾いて伸びているもの。
→程度の強いものはハネる。
→逆方向に折り曲げて矯正する事が可能な場合もある。
→尾芯振れを放置すると筒がねじれてくる。
E尾芯の重なり
→片方の尾が、もう片方の尾の下にもぐっているもの。
→たいてい重なった所は太く黒く見える。
→尾先だけの重なりなど程度は様々。
→程度の強いものはハネる。
F尾づけの左右不対称
→尾づけ(尾筒から尾となるライン)が左右対称でない。
→たいてい尾型の左右不揃いを伴っている。
→将来的に尾や尾筒のねじれを引き起こす。
→程度には関係なく全てハネる。
G尾肩の片落ち
→尾肩のどちらか片方に張りが見られないもの。
→尾型の左右不揃いともいう。
→程度には関係なく全てハネる。
H尾肩の片張り
→尾肩のどちらか片方が張り過ぎているもの。
→尾型の左右不揃いともいう。
→程度には関係なく全てハネる。
I尾肩の上方への跳ね
→尾肩の両方または片方が上方に跳ねているもの。
→平付けの尾に見られる事が多い。
→程度の強いものはハネる。
J尾まくれ
→尾肩の先端が外または内にまくれたもの。
→経験者ほど種魚として使用する傾向がある。
→他に秀でた所が無ければ全てハネる。
Kビリ
→尾肩や尾先が波打った様になっているもの。
→経験者ほど種魚として使用する傾向がある。
→他に秀でた所が無ければ全てハネる。
L尾先の不揃い
→左右の尾先に左右対称性がないもの。
→非常に軽いものはハネずに残しても良い。
M平尾・矢尾
→尾に立体感がなく、平らであったり矢の様に見えるもの。
→程度には関係なく全てハネる。
N間延び
→胴と尾筒との間が長いもの。
→程度は様々、尾筒も細い事が多い。
→軽いものはハネずに残しても良い。
→遺伝性が強い為、種としては使用しない。
O筒つまり
→胴と尾筒との間が短すぎるもの。
→経験上、筒つまりをあえて好む人は結構多い。
Pこれまでの見落とし
→特に、尾の左右不揃いと泳ぎの不良には注意。
|
2, 第2回目の選別の実際
第2回目の選別を写真で紹介します。
第2回目の選別で残す魚の目安と、
よく見られる不良魚について写真を使って説明致します。
どうぞ、ゆっくりとご覧頂き、選別眼を養って下さい。
なお、写真は随時追加して行く予定です。
3, 初心者に対する第2回目の選別でのアドバイス
尾筒から尾芯に注目した選別を行う。
第1回目の選別では、尾芯についての選別は後回しとしましたので、
今回は必ず尾芯に注目する必要があります。
そして、挿し尾を徹底的に調べ上げ、100%選別を行い、
余裕があれば、尾芯太や明らかな間延び(筒離れ)の魚も選別すると良いです。
なお、尾芯に注目した選別をしている際、尾芯が太く黒い魚が割合多くいる事に気付きますが、
この魚は非常に高い確率でツマミであるか、尾芯太であるか、三つ尾である為に、
この段階で選別を行っていた方が良いです。
そして、この時期の選別でも、残すかを迷ってしまう程度の魚は、
将来的に、良魚となる事は先ずありませんので、思い切った選別を行う事をお勧めします。
●初心者に対するアドバイス
1)挿し尾を徹底的に調べ上げ、選別を行う。
2)余裕があれば、尾芯太と明らかな間延びの魚を選別する。
3)2分の1から3分の1程度にまで数を減らす。
注)挿し尾・すぼ尾・間延びの3つは、絶対に種として使用してはいけない、
非常に大きな欠点であるので、この時期にしっかりと選別を行う必要がある。
注)つまみ尾は、数年続けて使用しなければ大きな問題はない
|
|