選別の方法

1, 第1回目の選別

基本的には上見だけでの選別を行う。

孵化後、2週間を過ぎた頃になると、稚魚の尾の開きは比較的はっきりとしてきますので、
水換えの際に、第1回目の選別を行います。

この時の選別で注目するのは、主に、稚魚の尾の開き具合と身体の中心線ですが、
稚魚の体長がまだまだ小さい為に、厳密な選別は第2回目からとするのが一般的な方法です。

しかし、厳密でなくて良いからと言って、ゆるい選別をしてしまうと、
稚魚の数を十分に減らせない為に、第2回目の選別が非常に大変なものとなってしまいます。

これを防ぐためにも、残そうか迷ってしまう程度の魚は、
将来性の有無や選別後の飼育密度とも相談しながらですが、
思い切ってハネてしまう程度の心つもりも大切です。

なお、この時期の選別で注目するのは、主に、稚魚の尾の開き具合と身体の中心線ですので、
尾の開きが綺麗で、身体の中心線が真っ直ぐである魚を残す様にして、
5分の1から10分の1程度にまで数を減らすと良いです。

しかし、以下の様な魚は必ずハネなければなりません。

上見での着眼点
@ふな尾
 →尾が全く開かずフナの様な尾となっているもの。
 →ふな尾の魚は泳ぎが速く、餌をとり易いので成長も速い。
 →程度には関係なく全てハネる。

Aすぼ尾
 →尾が170度以上(180度)に開き切っていないもの。
 →程度は様々で、残すかどうかの判断が難しいものも多い。
 →残すか迷う程度の魚はいずれハネる事が多い。

B尾形の左右不揃い
 →尾が左右同じ様に開いていないもの。
 →程度には関係なく全てハネる。

C身体の中心線の歪み(ひねり)
 →身体が捻れていたり、ヘの字に歪んでいるもの。
 →孵化までが低水温であった為に生じる事が多い。
 →程度には関係なく全てハネる。

D泳ぎの不良
 →真っ直ぐに泳げていないもの。
 →泳ぎの悪い魚は、必ずどこかに欠点がある。
 →程度には関係なく全てハネる。

E成長不良
 →成長している様子が見られないもの。
 →程度には関係なく全てハネる。

Fさし尾 (判断出来るのであれば。)
 →黒く見える尾芯が尾筒にまで挿し込んでいるもの。
 →鱗1枚半までのさし尾は許容範囲とされる。
 →この時期に判断出来るものは、許容範囲には収まらない。
 →程度には関係なく全てハネる。



2, 第1回目の選別の実際

第1回目の選別を写真で紹介します。

第1回目の選別で残す魚の目安とよく見られる不良魚について、
写真を使って説明致します。

どうぞ、ゆっくりとご覧頂き、選別眼を養って下さい。
なお、写真は随時追加して行く予定です。

※判断し易くする為、2つの時期の写真を掲載しています。

 
※この基準以上に開いている魚を残す必要がある。


 
 
 
 
 
 

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※この基準以上に開いている魚を残す必要がある。


 
 
 

 


3, 初心者に対する第1回目の選別でのアドバイス

尾張りの強い魚だけを残すと良い。

初心者の場合、魚に対する愛情や良い魚を捨ててしまうかも知れないと言う、
心配の為に、どうしても思い切った選別が行えない傾向にあります。

ただ、実際の所、この時期で迷ってしまう程度の魚と言うのは、
成長すると必ず欠点が目立って来るので、この時期に思い切って選別する事が大切です。

そして、その基準は尾の対称性と尾張りの強さに注目し、尾が綺麗に左右対称でない魚や、
尾張りが最低170度(理想が180度程度)は開いている魚を残す様にします。

尾張りは成長と共に悪くなっていく傾向にありますので、
この時期にちょうど良い尾張りをしていたとしても、
秋の段階では非常に高い確率で弱まってしまう事を、常に頭に入れておくと良いです。

●初心者に対するアドバイス

 1)尾の開きに注目して170度を越える魚のみ残す。
 2)尾の左右差に注目し、綺麗に左右対称になっているものを残す。
 3)身体のラインが真っ直ぐな魚を残す。
 4)5分の1から10分の1程度にまで数を減らす。

 注)尾の開きは180度程度はほしい所である。
 注)尾芯についての欠点は、もう少し成長して判断し易くなってから行う。




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