1月の飼育

1月の飼育

1, 餌・・・青水の場合

冬眠期では、水温の低下の為に魚の体温も低下していますので、
魚の体内活動は最低限生きていく為だけの、極めて低いものとなっています。

この様に魚の体内活動が低下している状況下では、
餌を全く与えないというのが従来からの飼育の基本です。

水換えの行わないこの時期に餌を与えてしまうと、
残餌や糞によって見た目以上に水質の悪化が生じ、体調を崩してしまう魚がいる為で、
確かにその通りだと私も思います。

飼育水が青水である場合は特に餌を与える必要はありません。


2, 餌・・・青水で無い場合

冬眠中は餌を全く与えないと言う事が基本です。

しかし、飼育水が青水で無い場合は、長い冬眠期の中で魚は空腹になりやすく、
厳しい寒さにも関わらずに、背を水面に出したままの状態となってしまう場合があります。
こうなると水面に出た部位が乾燥と寒さから壊死を起こしてしまう危険があります。

したがって、晴天で水温が上昇した事で体内活動がいくぶん回復し、
魚が普段よりも活動している様であれば、
正午頃に小量の餌を与えた方が、体力維持のためには良いと私は考えます。

この場合の与え方は、3分ほど湯に漬して消化を良くした低蛋白ペレットを、
10匹あたりティースプーン0.5杯の割合で正午頃に1回だけ与えると良いでしょう。


3, 水かえ

冬眠中は低水温の為、魚の体内活動はほとんど休止しています。

したがって、飼育水が汚れる速度もかなり遅くなるうえ、
冬眠中の魚に水かえで刺激を与えるのは良くありません。

この事から、基本的に冬眠中は水かえはせず、
蒸発によって減ってしまった水量を必要に応じて補う事を基本とします。

しかし、水質の悪化が明らかである場合は、思い切って水かえを行った方が良いでしょう。
冬眠中に魚が体調を落としてしまう為です。
この場合、必ず晴天の日の午前中に行う事が大切です。負担を最小限にする為です。

その際の方法は、魚を移動させずに水だけを4分の1から5分の1程度捨て、
そこに5日以上汲み置きした新水を加えるという方法が基本になります。
水深によって温度差がありますので、水を極力かき混ぜないよう注意しながら行います。

水質の悪化の原因が池底の沈殿物にあると考えた場合は、
冬眠中ですが、魚を守る為にも新しい池に移動させた方が良いでしょう。

飼育水は秋から確保している青水を使用したい所ですが、無い場合は新水:古水を1:1とします。
このときに、魚を外気と接触させる事は絶対にしてはいけません。
非常に高い確率で体調を落としてしまう為です。


4, 飼育密度

冬眠の間は魚の体内活動がほぼ休止状態にあり、飼育密度にこだわる必要はありません。


5, 冬囲い

この時期も水温の変化を和らげる為に冬囲いを続けます。

しかし、太陽が出ているときは冬囲いの一部または全てを取り去り、
池に日光を入れてやる事で青水の維持や病気の予防に努めると良いと私は考えています。


6, やせの著しい魚

冬眠前の飼育法に問題があったり、秋の段階で体調を落とした魚の場合、
腹回りが完成していない為に、冬眠中に著しいやせが目立ち始める場合があります。

この場合でも、可能な限り触らずに春を待つ事が基本となりますが、
どうしても気になる様であれば、ヒーターを使用して魚を起こしてしまうのも1つの方法です。
温度を上げて餌を与える事で解決を図るのです。

ただ、このような魚はなかなか元の姿には戻らない上、交配期となっても役に立たない事が多い為、
冬眠は腹周りが出来てからにするなど、予防した上で冬眠させる事が大切です。




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