水カビ病 (別名 : わたかぶり病 ・ 真菌病 ・ 水生菌病)


 概要

病気や外傷などで弱った魚の体表面に、真菌類のサプロレグニアやアクリアが感染して起こる病気です。
健康な魚が引き起こす事は稀で、二次感染として生じるのが殆どだと言えるでしょう。

菌糸に池底の沈殿物が付着した場合、泥をかぶった様に見える事から泥かぶり病と呼ばれる事もあります。


 原因生物<

真菌類であるSaprolegnia diclina






 生態

上記の細菌は常在菌であり、淡水のどんな池にも存在します。

健康な魚が発症する可能性は非常に低く、魚が何らかの原因で弱った際に
免疫機能が低下し、感染が成立するとされています。

原因菌はカビである為、感染が成立した場合は魚の皮内や皮下にまで菌糸を伸ばし、
栄養を奪い取る事で成長しながら胞子をまきます。


 好発時期

水温が14〜15度の時期である早春や晩秋。


 症状

初期

傷口に白い綿毛状のカビが付きますが、魚の活動性は幾分落ちる程度に留まります。
この時期に魚の体力が回復すると、カビも自然になくなる事が多いと言えるでしょう。


末期

病気などが原因で、魚の体力の回復が遅れている場合、カビは体表全体に広がります。
結果、エラの機能不全で臓器障害を来たすか、浸透圧調節の破綻で衰弱死する事となります。


 有効と考えられる薬剤
 
 液体  アグテン・ヒコサン・スーパースカット
 メチレンブルー水溶液
 グリーンFリキッド
 サンエース
 粉末  フレッシュリーフ
 グリーンF
 ニューグリーンF
 トロピカルゴールド


 当養魚場での治療方針

 @〜Bを同時に開始する事を基本として、5〜7日間様子を見る。
 Cは有効性がない場合に施行。

 @ カビの部位にメチレンブルーをしっかりとすり込み青く染色させる。
 A 魚の活動性が悪い場合のみ絶食。
 B 0.5%塩浴。(1日目から0.5%塩浴。)
 C メチレンブルー。(1週間の永久浴を繰り返す。)

 ※治療池の水が腐った様な臭いがする場合は直ぐに水換えを施行する。


 説明書にあるメチレンブルーの使い方

 薬品名  メチレンブルー水溶液 (動物用医薬品)
 成分  100ml中にメチレンブルー0.82gを含有
 使用目的  白点病、尾ぐされ症状、水かび病の治療
 使用方法  通常、本剤10mlを水約40〜80Lの割合で溶解させ薬浴
 短時間反復薬浴には、本剤10mlを水3〜4Lの割合で使用
 副作用  高濃度ではエラに障害を起こす危険がある
 注意事項  過マンガン酸カリとの併用で、沈殿物やエラに障害を起こす危険がある


 病気が発生した池や使用した飼育器具

他の魚に伝染する事が稀である為に、天日干し等の必要はありません。


 予防法

病気や外傷に注意する事で予防が可能となります。




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