白雲病 (別名 : キドロネラ症)

 概要

コスティア(Costia necatrix)やキロドネラが体調を落としている魚に感染する事で生じる病気で、
コスティア(コステア)症やキドロネラ症とも呼ばれます。


 原因生物

原生生物の鞭毛虫であるコスティアや原生生物の繊毛虫であるキロドネラが原因。






 生態

感染した部位の表皮細胞を破壊しながら栄養を奪い取り、
成長と増殖を繰り返して数を増やします。


 好発時期

早春や梅雨や秋口など気温が変わり易い時期。


 症状

軽症

前駆症状として魚は体を壁などに擦り付ける動きを行います。
エラに感染した場合は動きが極端に悪くなり、食欲の減退や水面近くの浮遊が見られる様になるでしょう。








重症

体表やヒレに、白い雲状の斑点が限局して見られる様になりますが、
これは寄生によって粘液分泌が亢進した為に起こる現象であると言えるでしょう。


末期

白い雲状の斑点に限局性がなくなり、癒合が生じる頃になると食欲が全く無くなり、
水面や水底に静止したまま動かなくなります。
さらに病気が進行した場合、粘液が無くなって体表がザラザラした様になり、
充血や出血がみられる様になる場合もあります。
やがて、カラムナリスやエロモナスなどの二次感染などが加わり、無残な姿で衰弱死する結果となります。



 有効と考えられる薬剤
 
 液体  アグテン・ヒコサン・スーパースカット
 メチレンブルー水溶液
 グリーンFリキッド
 サンエース
 粉末  フレッシュリーフ
 グリーンF
 ニューグリーンF
 トロピカルゴールド


 当養魚場での治療方針

 @〜Eを同時に開始する事を基本として、3〜5日間の薬浴を繰り返す。

 @ 魚の活動性が悪い場合のみ絶食。
 A 水換え。(舟に移して100%新水を使用。たたき池は不可。)
 B 十分なエアレーション。(少なくとも池の2隅に設置。)
 C 寒い季節なら25℃程度の水温。(1日の最大上げ幅は2〜3℃。)
 D 0.5%塩浴。(1日目から0.5%塩浴。)
 E メチレンブルー。(3〜5日間の永久浴を繰り返す。)

 ※魚に活動性がある際は、少量の生餌を与えた方が治療成績は良くなる。
 ※治療池の水が腐った様な臭いがする場合は直ぐに水換えを施行する。


 説明書にあるメチレンブルーの使い方

 薬品名  メチレンブルー水溶液 (動物用医薬品)
 成分  100ml中にメチレンブルー0.82gを含有
 使用目的  白点病、尾ぐされ症状、水かび病の治療
 使用方法  通常、本剤10mlを水約40〜80Lの割合で溶解させ薬浴
 短時間反復薬浴には、本剤10mlを水3〜4Lの割合で使用
 副作用  高濃度ではエラに障害を起こす危険がある
 注意事項  過マンガン酸カリとの併用で、沈殿物やエラに障害を起こす危険がある


 病気が発生した池や使用した飼育器具

池の水を抜いて晴天下で乾燥させる方法が基本となります。

しかし、天日干しが不可能の場合は、イソジン2倍希釈液を散布して
乾燥させる方法が良いでしょう。

この場合、容器にイソジンの色が付きますが、2日程度で消えます。
もし気になる場合はハイポで中和させる事も出来ます。




「治療薬と作用スペクトル」に戻る
「病気の症状と治療法」に戻る