外傷 (別名 : スレ)

 概要

様々な要因で魚に傷が生じた場合を外傷と言います。






 主な原因

人的な外傷(網ですくう際に多い。)
病気による外傷(穴あき病やイカリムシ寄生など。)
他の動物による外傷(トリやネコが多い。)


 好発時期

1年を通して起こりうる。


 症状

数枚の鱗が取れて内出血が生じますが、鱗の再生で将来的には傷が目立たなくなります。

5枚以上の鱗の取れや傷が深い場合、炎症が生じる事で腫れ上がり、
マツカサ病の様に鱗が逆立ってしまう事もあります。

場合によっては、傷の深さや二次感染が死因となります。
炎症が治まった場合、逆立った鱗は元の状態に戻りますが、失われた鱗が
再生する可能性は低いと言えるでしょう。






 有効と考えられる薬剤
 
 液体  アクリノール液 (消毒剤)
 オキシドール  (消毒剤)
 イソジン     (消毒剤)
 グリーンFリキッド
 サンエース
 粉末  ニューグリーンF
 ハイ−トロピカル
 トロピカル−N
 トロピカルゴールド



 当養魚場での治療方針

 軽症例に対しては特に治療の必要は無い。
 重症例に対して@〜Bを同時に開始する事を基本として、7日間様子を見る。
 感染症を予防する目的でCDを行う事がある。

 @ 魚の活動性が悪い場合は絶食。
 A 池の掃除。(取れた鱗を取り除く事が目的。)
 B 0.5%塩浴。(1日目から0.5%塩浴。)
 C メチレンブルー40滴/100L(二次感染の予防が目的。)
 D エルバージュ2g/100L(二次感染の予防が目的。)


 病気が発生した池や使用した飼育器具

原因が病原菌でない為に、天日干し等の必要はありません。


 予防法

魚の取り扱いに注意する事で人的な外傷を防ぐ事が出来ます。

防獣用の網で池を覆う事も大切ですが、これだけではクチバシの長い鳥害を防ぐ事が出来ません。
鳥除けの為に10〜15cm間隔の糸を張る事が大切です。










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